2011年10月22日土曜日

北海道日高牧場物語 フジ ザノンフィクション 味谷和哉


昨年の11月にフジテレビで放送された番組を、今朝、11時からBSフジで見た。新冠町で牧場を経営する夫婦の物語。30代半ば、子供男の子2人、猫一匹ヤギ一頭、そして馬たち、という夫婦二人でやっている小さな牧場。繁殖馬(牝馬)が足を折って安楽死させること、不況で仔馬の買い手が付かないこと、夫が耳下腺部の腫瘍で手術を受けること……などなど、小さな2人だけのこの牧場に数々の試練が襲いかかり、その中を懸命に生きてゆく家族4人の姿が、丁寧に描かれていた。
 これほど家族に密着して撮影できることに、驚く。これはひとえに、このドキュメンタリー番組の制作スタッフの努力の結晶なのである。カメラを担いでいって、「ちょっと撮らせて下さい」では、決してこのようなドキュメントは撮れない。長時間の、そして長期間の交流によって「信頼関係を築く」ことができなければ、こんな「家の中のこと・心の中のこと」を撮ることはできない。
 この番組も、チーフディレクターは味谷和哉である。もちろん、多くのスタッフの総合的な仕事なのだろうけれども、長年に渡ってこのザノンフィクションは、良質な――というより、心に残る、「生きていることは素晴らしい」ということを納得させてくれる番組を放送してきている。
 コリアンゴリ押しの「コリアンフジテレビ」の番組中では(キムチ鍋が全世代で1位!!!!とか言っているバカテレビ局)、ハキダメの中の鶴、いや、コエダメの中のユリ一輪、といった雰囲気を醸し出している。


http://www.asahi.com/showbiz/tv_radio/TKY200907300246.html
フジの「ザ・ノンフィクション」8月に500回
2009730日 朝日新聞
■愛と人情軸に社会映す
 フジテレビが日曜午後に放送しているドキュメンタリー番組「ザ・ノンフィクション」が、8月に放送500回を迎える。視聴率もスポンサーも取りにくいとされるドキュメンタリーだが、「愛と人情」にこだわって粘り強くカメラを回し続けてきた。
 「サラリーマンが休日にごろ寝をしながら見られるドキュメンタリー」との狙いで95年に始まった。第1回で取り上げたのは、当時、大リーグにデビューしたばかりの野茂英雄投手だった。
 紀行もの、動物ものなど、様々な分野を手がけているが、多いのは家族を題材にしたものだ。
 埼玉県の会社員一家が北海道の山村に移住し、再び埼玉に帰ってくるまでを9年にわたって追った特集がある。家族の一人ひとりが強く結びつきながらも時には傷つけ合う、きれいごとではないリアルな姿をつぶさに見つめた。
 00年から番組にかかわるチーフプロデューサーの味谷和哉さんは「番組を貫くのは愛と人情の路線。ひとつの家族から社会現象を考える、ミクロからマクロを見る番組を心がけている」と話す。
 昔ながらの商店街で経営危機に陥った老舗(しにせ)だんご屋一家の奮闘を描いた「柴又草だんご頑固物語」(05年)、結婚を機に能登半島の老舗旅館を切り盛りすることになった元看護師を追う「花嫁のれん物語」(07年)の2本で、この路線が確立したという。
 無名の人々が多く登場するのも特徴だ。夢を追う若者、障害と闘う人、逆境をバネに羽ばたく人……。
 個人の感情やプライバシーに踏み込むだけに、取材は一筋縄ではいかない。カメラの前での言動と本音が異なることもあるし、当人から「描かれ方が違う」と文句を言われたこともあった。放送前の社内試写には時間をかけ、気になることが少しでもあれば再取材のために番組を差し替える。
 「ドキュメンタリーは少なくとも半年、通常なら1年以上の取材期間を考えないと、訴える力の強い作品はできない。速成では視聴者は必ず離れていく」と味谷さん。
 民放では、ドキュメンタリー番組は本数も少なく、あっても放送時間が深夜など、厳しい状況に置かれている。「ザ・ノンフィクション」も、この不況下で制作費が大幅に削られた。味谷さんは「ドラマやバラエティーと同じ枠内で考えられると、存続は難しい」と嘆く。
 500回の記念の番組は8月2日放送予定の「康子のバラ」。原爆のため19歳で命を落とした、当時の広島市長の次女・粟屋康子さんの物語だ。台湾出身の留学生との淡く切ない秘話を、残された日記をもとに宮崎あおいのナレーションでたどる。
 番組プロデューサーの森憲一さんは「戦渦の日々と当時の19歳の生き様を、今の若い人にも知ってもらいたい」と話している。(柏木友紀)