2017年12月11日月曜日

櫻島よ、おまえもか

 金曜日の夜、雪の降りしきる中、札幌を縦断して『櫻島』までラーメンを食べに行った。
 まともなラーメンを食べたくなったのである。
 私のテアナは4駆の車なので、滑りやすい雪の上でも、濡れたアイスバーンでも、かなり安全に走ることができる。ちょっとした緩い坂道で、後輪駆動のタクシーが空回りして動けなくなっていたり、前輪駆動の車が危なかしく尻を振っている中で、4駆の車は快適に走る。ところが、テアナは4駆の車を生産するのを止めた。4年か5年後には車を買い替えなくてはいけないけれども、4駆以外の選択肢は北海道では、少なくとも私にとってはあり得ない。フーガやスカイラインは4駆があるけれども、あのエンブレムが<骸骨>のように見えて、まるで<悪の組織>のエンブレムのようで絶対に乗りたくはないし、かといってエクストレイルはシートが拷問席なので嫌である。
 もっとも、4,5年先に生きているかどうか全く不明なのだから、4,5年先に買う車のことを考えてみても無意味だな、と思いながら20キロ近い道を走ってやっと『櫻島』に着いた。
 この店で、恐らくは100回以上ラーメンを食べているけれども、この日初めて、ここのラーメンを不味い、と思った。
 店主はいつものようにひっつめ髪のあの老人である。ところが、スープに全然コクというものが無い。麺ものびてしまったかのように歯ごたえがない。
 『櫻島』でも不味いラーメンを出すことがあるのだということを知らされた。
 この店に、30年以上通っているけれども、矢張り、店というものはどこもいつかはダメになってゆくものなのだろう。
 やがてみんな年を取って死んでゆく。同じように、店も年をとって、味も何も維持できなくなって、やがて消えてゆくのだろう。
 少し悲しい気分で、また家まで車を運転して帰った。