2018年2月17日土曜日

今度は神奈川で騒動を起こして解任された土屋了介

 過去に起こした事件を考えれば、こんな事件を起こすことは黒岩知事も想像できていたはずなのに。

▲:過去の私のブログから再録
2008.11.11  
資料 週刊新潮 国立がんセンター 土屋了介  
http://plaza.rakuten.co.jp/atsushimatsuura/diary/200804280000/
の続き。

● 週刊新潮 2008年8月14日・21日合併号より引用
「セクハラ隠蔽」で訴えられた「国立がんセンター」手術部長
 東京・中央区築地に中央病院を構える国立がんセンター。“わが国のがん対策を推進する中心的役割を果たす”(HPより)ことを使命に掲げ、日本のがん医療を先導してきた。
 先月、この権威ある医療機関を揺るがす訴訟が起こされていた。原告は同センター中央病院を退職した麻酔科医・工藤正志氏(仮名)。
 工藤氏は、国と山川信二手術部長(仮名)らを相手取り、損害賠償を求めて東京地裁に提訴したのである。
「職員だった当時、私は山川氏から様々な誹謗中傷を浴びせられてきました。ただ、濡れ衣を着せられたままでは家族にも惨めな思いをさせると考え、訴訟に踏み切ったのです」(工藤氏)
 この裁判を説明する前に、同センターを巡る別の騒動について触れる必要がある。
「今年3月末、がんセンター中央病院に勤務する10人の麻酔科医のうち5人が相次いで退職しました。中央病院は手術件数を減らさざるを得なくなり、がん医療の総本山にまで医療崩壊の余波が及んだ、との声も上った」
 とは、医療ジャーナリスト。この一件は新聞やテレビでも取り上げられ、職員が“国家公務員”である同センターと、民間病院との給与格差が主な退職理由とも報じられていた。
 しかし、5人の麻酔科医の1人である工藤氏は、自身が退職した背景に、当時、表沙汰にされなかった真相が存在するというのだ。
“ヤクザを使って殺す”
 工藤氏の訴状を概説すると、事の発端は昨年[2007年]7月。山川氏が同僚の医師に対して発した言葉だった。
「この病院には反社会的な反乱分子がいる。自己防衛手段として必要と思われる場所に盗聴器を設置した」
 それを聞いた工藤氏は驚き、別の上司に対して院内に盗聴器が仕掛けられていないか調査すべきと進言。
 結果、工藤氏、山川氏に加え、土屋了介院長ら病院の上層部も同席する事情聴取の会議が設けられた。
 そこで山川氏は
「反乱分子とは工藤氏のことで、自分は被害者」
 と述べ、さらに工藤氏のセクハラや脅迫について語り出したという。
「盗聴器の件が議題と思っていた私は、身に覚えのない醜聞を聞かされて呆気に取られまあした」(工藤氏)
 その内容は、工藤氏が女性職員を介して、山川氏の秘書を“ヤクザを使ってレイプしてやる。殺してやる”と言っているというもの。
 工藤氏はそれに真っ向から反論し、事実関係の調査を要求したそうだが、
「山川氏はその後の事情聴取で、今度は私がその女性職員にセクハラをしたと主張してきた。さすがに驚きました。私は彼女から、山川氏に卑猥な言葉を投げ掛けられたり、体を触られて困っていると相談を受けていたのです」(同)
 それが事実ならセクハラの主は逆になってしまう。工藤氏は弁護士を通じ、盗聴器やセクハラについて調査を求める内容証明を何度も病院へ送っている。だが、誠意ある返答はなかった。
 また、訴状には女性職員が病院に対して提出した陳述書の内容も記されていた。
 彼女が山川氏から繰り返しセクハラを受けていたことや、
「工藤氏は精神異常者であり、部長職の自分が追い落とされる危険があるため、彼からセクハラを受けていたと証言してほしい」
 と強要された等、俄かに信じ難い文言が並んでいる。
 結局、工藤氏は嫌気が差して病院を退職。一方の山川氏は、騒動の直後から今春まで手術室への立ち入りを、事実上禁じられ、その間は副院長が部長職を代行していた。
 病院側は、元職員による提訴の事実を認めながら、
「裁判に関する事柄なので、一切お答えできません」
 血税で運営されている以上、不透明な処置は許されない。


● 週刊新潮 2008年10月23日号より引用
「内部告発文書」飛び交う「国立がんセンター」の医療崩壊
 ガン治療の総本山・国立がんセンターが大ピンチ。中央病院(東京都中央区)が手術の数をこなせず、多くの患者に待機を強い、収入減が生じて経営も悪化、今しも「医療崩壊」の危機にあるというのだ。内部では、院長の責任を問う「告発文書」まで飛び交って……。
 昭和37年の開設以来、がん治療の中心的存在だったがんセンター中央病院。その未曾有の危難の始まりは今年4月のことだった。
 麻酔科医10人のうち5人が3月末に一斉退職、手術中の麻酔管理を担当する医師が半減した中で新年度を迎えなければならない事態に。となると、手術の数を減らさざるを得ないのは自然の理で、
「全身麻酔の手術件数は昨年度約4400件でしたが、本年度は3100件ほどに激減すると見られます」
 とは、さる病院関係者。
「これは実に問題で、まず手術件数減による収入減が大きい。また、事業計画では600床のうち546床が埋まっているべきところ、実際は500床程度にまで落ち込んでいるうえ、差額個室からなる18階病棟も常にガラガラ状態。当院の差額個室はほとんどが1泊4万円以上と高額のため、ここに患者さんが入らないと即、経営に響く。年間10億円を越す減収になるのでは、との見方さえあるほど」
 減収が生じれば、新規の医療機器が買えないなどの事態を招きかねないというのだが、
「何より深刻なのは、手術待ちの患者を難民よろしく溢れさせ、一方で手持ちぶさたの外科医を生んでしまっていること。ガン征圧の最先端に身を置き、多くの患者を救うべく戦っていると自負する職員たちの間に、今の状態は非常な憤りと無力感を呼んでいます」(同)
 さて、ここで責任を問われているのが、病院トップの土屋了介院長(62)その人だ。
「院長は、私たち5人が辞めた理由について、あるまじき説明をしました」
 と、がんセンターを去った麻酔科医の1人は憤る。
「毎日新聞に“退職の主な理由は、待遇のよい病院への転籍だ”という院長の弁が載ったのです。これではまるで、麻酔医が金の亡者と言わんばかり。現実は全く違います。5人のうち女性1人は、麻酔科専門医の認定を得るため母校の大学病院に戻った。男性2人も、遠距離通勤の負担が大きかったことや契約満了など、理由は様々でしたが……」
 続けて、こう言う。
「残る2人のうち1人は、ガン患者の緩和ケアを実践するという条件で来たのに、手術室の麻酔業務ばかりで、現職にいる意味を見失ったのが理由ですし、もう1人など、セクハラの濡れ衣を着せられて退職を余儀なくされた末、国や上司を相手に提訴するという経緯をたどっている。なのに院長は彼らを守らなかった。そして麻酔医の多くが近々辞めることもわかっていながら、何ら手を打たなかった。その責任たるや大ですよ」

 無論、院内の職員たちは、そうした事情を知っている。そのことがさらに、病院内の空気を沈鬱なものにしてもいるのだ。
「土屋さんは、麻酔医不足を危惧する声が上った際、『外科医はいずれ“自分たちが麻酔をかけます。やらせてください”と頼みにくるよ』などと言い放ちました。呆れた話です。こんな惨状の下、日本の胃ガン治療を牽引する胃外科の部長が7月末に退職、癌研有明病院に移ったほか、さらに深刻な問題も起きています」
 と現職の医師がこう話す。
「当院の現状が口コミで伝わった結果か、レジデント(研修医)が集まらなくなっているのです。30人の定員で来年度のレジデントを募集したところ、半分しか埋まらなかった。前代未聞のこととはいえ、無理もないと言えるでしょう。何しろ、外科の研修中に麻酔業務をっさせられていたレジデントたちが“麻酔医のかわりに働かされるのは断る”との声明を出すなどのドタバタもあったくらい。敬遠されて当然かも知れません」
 さらにこの医者が案じることには、
「麻酔を担当させられたレジデントたちが、自分らのせいで事故が起きないか、とても怖れていたのです。本職の麻酔医に指導を受けようにも、彼らとて自分の仕事に手一杯でそれどころではない。レジデントは技術力に限界があるため外科医の期待通りに麻酔レベルを調整できず、手術の間は冷や汗ものだった、などと話すのも聞きました」
 これが、天下にその名を轟かせるがんセンター中央病院の現実。医療崩壊といわずして何と言う、である。

「何やってんの?」
 そんな中、がんセンター関係者の間に飛び交っている、一綴りの「内部告発文書」がある。A4判で全10枚と大部のそれは、
<国立がんセンター中央病院の危機的状況について>
 と題し、冒頭から麻酔科医の流出と、そのことがもたらした経営状況の悪化に警鐘を鳴らすのだが、副題に、
<状況の報告と考察>
 とある通り、その「分析」と「告発」の中身はじつに詳細極まりない。
 わけても目を引くのは、「現在の重大な問題点」として「幹部の不作為」を挙げ、土屋院長の「不適切な勤務と出張」や「院外における不明朗な活動」などを指弾していること。
 内容を要約すると、院長は業務に必要とは思えない学会や会合に出席して不在がちであり、8、9月をまたぐ3週間のうち、院内に留まっていたのはわずか3日に過ぎないと指摘。院長の行動記録簿を添付資料で掲げている。
 また、中央病院向かいの築地市場が移転した跡地に「メディカルセンター」を誘致し、両者を有機的に機能させるという私的構想を各所で触れ回っていることについても、市場跡地の利用に関して権限がない以上、職務の逸脱ではないかと非難。こう結論づけるのだ。
<この一例においても、病院がこの危急の困難に直面する時に、病院長がその職責を全く自覚していないばかりか売名的で無責任とも思える言動を内外に行っていることが明らかである>

 麻酔医の大量退職と手術数減。その原因として内部から告発されたのは、院長のガバナンス能力欠如と管理業務の放棄だった――。
 当の土屋院長が答える。
「中央病院という公職にあって、どれだけ外の活動をしつつ中を見るか。私は、中のことをするだけでは、組織を維持できないと思っております。批判する声は色々とあるかも知れないけれど、今の麻酔科医は全員私が連れてきたし、新たな麻酔医を探すのも、私の個人的なつながりで業者や社長に頼んでいるんです。残念ながら、(院内の)誰からも“自分の出身大の麻酔科に連絡をとりました”といった報告は受けていません。批判は甘んじて受けますが、それが事実なんですよ」
 要は、部下が怠慢なのだ、というご託宣である。
 ところで、さる10月6日、中央病院の特別会議室で全職員会議が開かれた際、こんな一幕があった。
 土屋院長が、麻酔医不足の経緯説明もそこそこに、自らが舛添厚労相肝いりの研究班会議で主任に選ばれたことを15分間にもわたって滔々と報告。(松浦注1)最後に経営の窮状を訴えて演説を終えると、部長の1人が、
「何ですか、今のは? 今日はおとなしくしようと思っていましたが、呆れ果てています。半世紀かけて先達が築いてきた名誉と職員のプライドが、ずたずたになっているんですよ」
 と発言したのだ。部長が、
「病院長の業務は病院を健全に経営し、職員が幸福感にひたって働いていける環境をつくること。なのにあなたの本分は何ですか。いい加減にしなさい」
 と言えば会場から拍手。
「何やってんの? 恥ずかしいと思わない?」
 で、また拍手。
「どうか院長、明日から生まれ変わって、本来業務と無関係な出張はやめ、潰れかかった病院を立て直していただきたい。それがほとんどの職員の意見です。いかかですか、皆さん!」
 そこでダメ押しのごとくに万雷の拍手……。院長はすっかり面目を失ったのだ。
 OBの1人が嘆息する。
「土屋くんは、中央病院や研究所など全体を統括する総長のイスを慶応医学部の後輩(松浦注2)に奪われて以後、興味の向かう先が病院経営から、自身の名誉へと変わってしまったようです。早く退いてもらうしかありません」
 それでも年間1000人超に及ぶ「手術待ち難民」の悲嘆は解消されまいが。
(引用終わり)


注1・研究班会議ってこれのこと。
● 専門医・家庭医制度で意見交換―厚労省研究班
10月9日19時53分配信 医療介護CBニュース
 「医療における安心・希望確保のための専門医・家庭医(医師後期臨床研修制度)のあり方に関する研究」の班会議(班長=土屋了介・国立がんセンター中央病院長)が10月9日、都内で開かれた。日本専門医制評価・認定機構の池田康夫理事長と日本医師会の飯沼雅朗常任理事が、いわゆる「総合医」についての両団体の認定システムをそれぞれの立場から説明し、出席した班員らと意見交換した。同会議は、6月にまとまった厚生労働省の「安心と希望の医療確保ビジョン」で、研修医制度の見直しが必要とされたことを受けて設置されたもので、今回で2回目。
 日本専門医制評価・認定機構の池田理事長は、同機構の「専門医」に対する考え方を説明。「専門医が提供する医療によって(患者の)安全が担保される。医師の知識、技術も一定以上の基準に保つことができる」と述べ、同機構の専門医制度案が医師側にも患者側にもメリットがあることを強調した。
 専門医に要求される資質としては、▽基礎的・先進的な医学の知識▽高度なテクニカルスキル▽患者とのコミュニケーションスキル―などを挙げ、「安全と信頼の医療のためのマネジメント」も必要だとした。
 専門医の育成については、各領域のプロフェッショナルである学会が担当するのがベストだとして、「教育プログラムをつくって、専門医制度を運営してほしい」と提案した。また、「専門医を認定する仕組みと認定された医師名」は一般に公開すべきだとした。
 今後は、▽インセンティブをどうするか▽どんなトレーニングを経て、どんな知識、スキルを身に付ける必要があるか▽どの領域で何人ぐらいの専門医が必要なのか―なども議論しながら探っていく考えだ。
 出席した班員からは「専門医制度は患者のための制度だが、それを話し合う各学会の代表者たちは(自分の)学会の利益も考えなければならない。そこに矛盾が生じる」「患者の立場の人の話を聞くために、外部の人を(機構の)理事に入れた方がよいのではないか」などの指摘が挙がった。
 日医の飯沼常任理事は、「最新の医療情報を熟知していて、必要なときに専門医、専門医療機関を紹介できる『かかりつけの医師』が求められている」と述べた上で、日医の「地域医療、保健、福祉を担う幅広い能力を有する医師」認定制度案と教育カリキュラム案について説明した。
 飯沼常任理事は、厚労省の「総合科構想」についても取り上げ、日医の制度案とは全く別物であると強調。「厚労省の『総合科』は医師の中から一定の条件を満たす者に大臣許可を与えるもので、医療へのアクセス制限が目的。国家統制的だ」として、今後も医道審議会診療科名標榜部会などで反対していく姿勢を示した。
 班員からは、同制度で育成しようとしている医師に産科医がいるかどうかとの質問も出た。これに対し、飯沼常任理事は「(産科は)扱わない」と答えた。
 また、班員からは「更年期障害など女性特有の病気の医療も欠けている」「日医の提案している制度と厚労省の総合科構想は根本的な部分で変わらないのでは」などと指摘する声もあった。
 最後に、土屋班長は「ホームページを開設したので、皆さんの意見を寄せてほしい」と呼び掛けた。
(引用終わり)

注2 垣添生忠の後任の総長は以下の人物。
廣橋説雄・慶応卒・腫瘍病理学者




● 週刊新潮 2008年11月6日号
「国立がんセンター」が隠す
 「美人研修医」ストーカー事件
 麻酔科の“崩壊”が招いた手術件数の激減に、セクハラ騒動、約3000万円の不明金報道……不祥事続きの国立がんセンター中央病院に、今度は「ストーカー事件」の隠蔽疑惑が浮上した。院長センセイ、これでは「日本のがん対策の中枢」という大看板が泣きますよ。

「私たち医師が、安心して患者さんの診療や研究に専念できるよう取り計らうのが、院長の一番の仕事だと思っていました。この病院の場合は違うんだと知って、とても残念な気持ちです」
 そう語るのは、数カ月前まで「国立がんセンター中央病院」(東京都中央区)レジデント(研修医)だった西田恵子さん=仮名=である。美人女医として知られる西田さんは、同僚レジデントだった加藤弘医師=仮名=から受けたストーカー被害を、こう振り返る。
「最初は、しつこい電話でした。それが1日何十回へと次第にエスカレートし、自宅マンションのオートロックをかいくぐって部屋のドアの前まで押しかけることもありました。たまたま、当時は婚約中だった夫が家に一緒にいたので、事無きを得ましたが。院内でも度々待ち伏せされました。国立がんセンターのレジデントはサービス残業も多く、真夜中に人気のない施設に入ったりもする。なので、身の危険を感じた私は、院内でも防犯ベルを持ち歩いていたくらいです」
 ドラマの1シーンのようなこんな出来事もあった。
「幼馴染の男性がたまたま出張で上京してきたので、丸の内のカフェで会ったのですが、その店に私宛の電話が入った。出てみると電話の主は加藤医師で、怒鳴られ脅迫めいたことも言われました。私が電話を切ると、今度はカフェの前にやって来て、窓をドンドン叩いたりしたんです」
 同様のことは、西田さんが友人たち5~6人と汐留のレストランで食事を取っていた時にも起きた。
「偽名で私を電話口まで呼び出し、また怒鳴ったり脅しつけたり。その電話の前にも、ウエイター相手に、私が誰と一緒にいるのか聞きだそうとしたり、私の行動を監視するように頼んだりもしたそうです。友人たちは事情を知っていたので、わざと3グループに分かれて別の店に移動しました。でも、いつそこにも押しかけてくるかと、せっかくの食事が台無しでした」
 妻の身を案じた夫と共に、西田さんが、相談のため土屋了介院長を訪れたのは、昨年5月のことだった。
「その時は、院長は親身に、40分ほど話を聞いてくださった。そして、“警察に相談したほうがいい”“こんなことが院内であっちゃいけない。きちんと対処する”と言ってくださったんです」
 院長のアドバイス通り、地元の警察に相談したものの“現行犯でないと逮捕などは難しい”と言われた彼女にとって、頼みの綱は院長の対応だったが、
「年が明けても、院長からも、調査を指示されたはずのセクハラ委員からも何の連絡もありませんでした。そこでセクハラ委員の1人に尋ねてみると“院長からは何の指示もないから、動きようがない”と言う。そこで、[今年2008年の]1月と3月の2度にわたり、どんな対応や処分を行ったのかを尋ね、自分の身を守るためには法的手段も辞さない考えを伝える文書を、夫と相談して、院長宛に送ったのです」

 2通目の文書を送った数日後、土屋院長から院長室へ来るよう、内線電話がかかってきた。セクハラ委員でもない看護部長を同席させようとしていること等に不信感を募らせた西田さんが面談を断ると、院長は、電話口で態度を急変させる。
「3月末には加藤医師の研修期間が終わり病院からいなくなることを根拠に、“もう部下ではなくなるから、自分には監督責任はない”とか“法的手段に出るというのは、あなたの意見か、ご主人の意見か? うちの職員ではないあなたの夫の訴えを聞く義務はない”などと言い出した。結局、院長は、私の訴えに対して何もしていなかったのです」

(松浦注・なるほど。セクハラ委員会を院長に開くように要請しても、院長はノラリクラリとかわして時間を稼ぎ、当のセクハラ医者が査問されることもなく円満離任できるようにもってゆく。後に述べるように、このセクハラ医者が院長の友人の息子だからなのだろうが、それにしてもさすがは慶応出身の医者、悪知恵が働いている。感心した。ここで一句。

悪知恵も 得意なんです 慶応医者   )

 そればかりか、この直後、不思議な人事が行われているのだ。ある病院関係者が証言する。
「西田先生は、本当は4月から(レジデントの上の)シニアレジデントとして採用されるはずでした。昨年8月の公募に応募したのは彼女1人でしたし、診療科の医長の面接も終え、内定状態だった。ところが、今年になって、医長には何も知らされないまま、院長と副院長の面接だけで、急遽、別の医師をシニアレジデントとして採用してしまった。西田先生には、なぜ内定が取り消されたのか、説明はなかったようです。シニアレジデントの人事権は最終的には院長にあるのかも知れませんが、彼女を追い出すことが目的、と言われても仕方のない、理不尽な人事です」

「1泊18万円」の当直
 そもそも、土屋院長はなぜ、西田さんに対する態度を硬化させ、ストーカー事件を放置、いや隠蔽しようとしたのか? あるレジデントは、こんな見方を披露する。
「実は、加藤医師の実家は病床数350以上のS病院を中核に老人介護施設なども運営する愛知県の医療法人のオーナー。理事長・病院長を務める父親は、国立がんセンターの元レジデントで、当時の同僚だった土屋院長とは長年の友人なんです。ここ5年ほど、うちの多くの新人レジデントたちが“当直”名目でS病院に派遣されてきたのですが、彼らには土日1泊2日で約18万円という破格の謝金が支給されている。月給とほぼ同額を一晩でもらえるのですから、レジデントたちは“S病院奨学金”などと呼んで有難がってきたのです。西田さんの件と決して無縁ではないでしょう」
 そのあたりの事情を含め、土屋病院に取材すると、返ってきたのは、
「(西田さんへのストーカーの件は)プライベートなことですから、私が答えるべき問題ではない」
 そんな驚くべき言葉だった。西田さんが証言する“つきまとい”行為は、ストーカー規制法が処罰の対象とする明確な犯罪である。それを院長は、痴話ゲンカ程度にしか認識されていないようなのだ。その点を再度指摘すると、
「そういうこと(病院内の違法行為)があれば調査し、しかるべき範囲で公表することになっている。今回も病院として、しかるべき対応をしています」
 と仰るものの、その内容については、口を濁すばかりなのである。
 一方、加害者と名指しされている加藤医師は、まるで取材を予期していたように滔々とこんな弁明をするのだった。
「(西田さんの訴えは)すべて事実無根です。むしろ逆の話でして、僕のほうがつきまとわれていたのです。彼女のストーカー行為に対して、周囲立入禁止の仮処分申請も考えていたほどです。昨年の初めには、弁護士に相談し、私にされた事実は文書化し、リアルタイムに公証人役場を通じ、公的書類として残してあります。有効な証拠です。

(松浦注・証言として有効なものだけれども、その内容が真実であることを証明するものではない。ここらへんが、この●●医者のおかしなところで、まぁ、金に飽かせて弁護士は雇っているのだろうけれども・恐らく愛知県の医療法人の顧問弁護士なんだろうけれども・こんな●●医者、きっと刑事告訴されて警察であれこれ訊かれたら、きっと真実をベラベラ喋るのではないだろうか・というより、この●●医者の学生時代の様子、事件などを調べてみるべきだろう・こんな●●医者を採用していること自体が、何かとても怪しいと思うのだけれども……土屋院長に採用決定権があったのだろうか?)

 こんなこともあろうかと思って、手はずを整えておりました。西田さんの主張を院長から聞き、

(松浦注・ということは、個人的に会って土屋院長はこの医者に相手方の訴えを教えたということになる、というのも、セクハラ審査委員会は一度も開かれてはいないのだから・これって背任行為ではないのだろうか・調査委員会を開きもせずに院長がこっそり訴えの内容をセクハラ容疑の医者にあれこれ教えてしまうというのは)

 名誉毀損で訴えようとも考えましたが、彼女が私に濡れ衣を着せたくらいのことで彼女が国立がんセンターで働けなくなると可哀相なので(松浦注・爆笑)、仮処分申請を含め、取り下げることにしたのです」
 ストーカーという“犯罪行為”を巡って両者の主張が真っ向から対立するなら、第三者による徹底した調査で真実を究明し、嘘をついた者には“しかるべき”ペナルティが科せられるのが社会のルールである。だが、国立がんセンター中央病院が選んだのは、訴えを無視し事件を隠蔽するという最悪の選択肢だった。
 こんな危機管理しかできない組織に、がんとの闘いという“命がけの危機管理”を委ねたくないと思う患者は少なくあるまい。
(引用終わり)

(再録終わり)


 で、結果的にこうなる。
神奈川県立病院機構の土屋理事長、解任へ
岩堀滋2018年2月6日08時00分 朝日新聞
 横浜市旭区の神奈川県立がんセンターで、放射線治療医が昨年末から大量に退職意向を示し、放射線治療の一種で国が先進医療に指定する重粒子線治療の存続が危ぶまれていた問題で、黒岩祐治知事は5日、県立病院機構の土屋了介理事長を解任する考えを示した。同機構は県立5病院を運営する。
 この日、土屋理事長と面会した黒岩知事によると、この間の混乱を受けて4月以降の医師確保に土屋理事長が加わらないよう伝えたところ、土屋理事長から即刻解任するよう言われたため、解任を決めたという。今後、法に基づく解任手続きが進む。
 土屋理事長が、機構内部の手続きを経ずに県の調査委員会に反論する会見を開き、センター病院長の人事異動を決めたことなどを問題視した。土屋理事長は黒岩知事の要請で2014年4月に着任、任期は今年3月末まで。黒岩知事は「私に任命責任があり、深くおわびする」と述べた。
 機構内部からもこの日、土屋理事長への疑念が表面化した。康井制洋副理事長らが会見を開き、県の調査委員会の調査結果は妥当で、反論文提出は土屋理事長が単独で行い、組織決定していないなどとする「土屋理事長の解任を求める緊急声明」を黒岩知事に提出した。土屋理事長が反論会見をした2日、がんセンターの大川伸一病院長の降格人事を行ったことなども踏まえて「不当で受け入れられず、看過できない問題がある」などとした。
 緊急声明について会見を開いた…
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