2018年3月31日土曜日

ニュース ベネズエラ ガザ(パレスチナ)

018.3.31 18:00
【国際情報分析】
中南米一豊かだったベネズエラで「難民」急増 かつての“優等生”どこに?
 マドゥロ大統領が独裁的な統治を強めている南米ベネズエラで、国民の国外脱出が急増している。深刻な食料不足や政治的抑圧から逃れようとするその数は、今月に入って1日数万人にも達する。かつて中南米一豊かな民主主義の優等生と称され、世界一の原油確認埋蔵量を誇るベネズエラだが、今やシリア、ミャンマーに次ぐ新たな難民危機を生んでいる。

 「難民」は2016年から徐々に流出し始め、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)の推計では、これまでに少なくとも150万人が国境を接するコロンビアやブラジルなどに脱出したとみられる。ロイター通信などによると、50万人以上が滞在しているコロンビアのサントス大統領は「難民には寛容でありたいが、われわれは経験したことがない苦境に陥っている」と語り、先月から不法入国を防ぐため、3000人の警備要員を国境に配置した。治安悪化も懸念材料になっている。

 ベネズエラでは13年3月に反米左翼の急先鋒として鳴らしたチャベス前大統領が病死し、後継指名されていたマドゥロ氏が副大統領から大統領に昇格。貧困対策として公共住宅の大量建設などに取り組んだが、バラマキ政策に加えて外貨収入の9割を依存する原油の価格低迷で財政が破綻した。紙幣増刷によってハイパーインフレを招き、17年のインフレ率は2616%(国会統計)、今年は1万3000%と国際通貨基金(IMF)は推計している。

 苦肉の策として、マドゥロ政権は埋蔵原油を裏付けとした仮想通貨「ペトロ」の発行を始めたが、米政府が自国民の取引や国内流通を禁じるなど、効果は疑問視され、“国際金融詐欺”に近いとの指摘もある。

 政治面でもマドゥロ氏は、昨年8月に政権派だけで構成される制憲議会を発足させ、野党が多数派を占める国会から立法権を奪うなど、やりたい放題だ。反政府デモも押さえ込み、多数の死者を出している。

 食料や医薬品を輸入する外貨が不足し、現地ではスーパーの棚が空になっている。飢餓や栄養失調が広がり、シモン・ボリバル大学などの調査によると、ベネズエラ国民の9割が貧困に陥り、昨年1年間で64%の国民が体重を平均11キロも減らしたという。

 UNHCRは13日に声明を出し、「ベネズエラからの避難民は難民として保護されるべきだ」として、近隣国に国境を開放し、強制送還しないよう要請。国際社会にベネズエラと「難民」受け入れ国への人道支援を呼びかけている。

 しかし、現地紙ウルティマス・ノティシアスなどによると、マドゥロ氏はかたくなだ。「ベネズエラに食料不足など起きていない。外国勢力が支援を政治介入の口実にしようとしている」と突っぱね、国際的な支援を拒んでいる。

 戦火を逃れるのとは違った形で大量発生したベネズエラの「難民」。議会や野党を軽視し、聞く耳を持たない独裁、独善的な政治が、いかに国民を苦しめるかを物語っている。
(外信部編集委員 佐渡勝美)


2018.3.31 00:10 産経新聞
ガザ抗議デモで7人死亡、500人負傷 イスラエル軍と衝突
 【カイロ=佐藤貴生】パレスチナ自治区ガザで30日、イスラエルに対する大規模な抗議デモが始まり、ロイター通信によると、同国軍との衝突でパレスチナ側の少なくとも7人が死亡し、約500人が負傷した。パレスチナ側は約6週間にわたり抗議を続けるとしており、衝突が激化する恐れもある。

 英BBC放送(電子版)などによると、パレスチナ側は、イスラエルとの境界近くの5カ所に総勢1万7000人が分散して抗議。別の場所でもタイヤを燃やしたり、火炎瓶や石を投げたりしてイスラエル兵と衝突した。境界のフェンス周辺で起きた衝突や、イスラエル軍の戦車が発射した砲弾などで死傷者が出た。

 パレスチナ側にとって3月30日は、かつてイスラエル側の土地収用に抗議して6人が殺害されたことを記念する「土地の日」に当たる。ただ、今年はイスラエル建国(1948年5月)に伴い、多数のパレスチナ人が離散を強いられた「ナクバ」(破局)と称される時期まで、抗議を続けるとしている。

 トランプ米政権は5月にイスラエルの米大使館を西部テルアビブからエルサレムに移転する意向を示している。