2018年5月26日土曜日

アメリカ東海岸美術館紀行 その2












 ネットであれこれ旅行を調べていて、クラブツーリズムのサイトに、<シカゴ美術館>という言葉を見つけたのは去年の暮れだったと記憶している。

 シカゴ美術館。
 エドワルド・ホッパーの<Night Hawks>が展示されている美術館である。
ウィキ Night Hawks
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%8A%E3%82%A4%E3%83%88%E3%83%9B%E3%83%BC%E3%82%AF%E3%82%B9_(%E7%BE%8E%E8%A1%93)

 この絵を見たい一心で、随分前からシカゴ美術館に行く方法を探していた。ツアーが見つからないので、シカゴまでの航空券とホテルだけを購入して行くことも考えたが……何しろ私は一人で海外旅行などしたことがなく、空港からホテルまで行くあいだに(ホテルを探しあてる前に)行方不明になってしまうのではないかと、あれこれ不安に付きまとわれて決断できないでいた。

 するとそこに偶然のように目に入ってきたのが、このツアーである。
 値段のことなど何も考えずに、すぐに申し込んだ。いつもなら、相部屋ができるツアーを探すのだけれども、相部屋不可で一人部屋追加料金だけでもほぼ10万円ということも気にならなかった。合計52万円、それに諸経費を加えて55万円という金額も、ホッパーのNight Hawksのためなら高いとは思わなかった。しかも、ホッパーの他の作品もホイットニー美術館などで観ることができるし、ワシントンではモネの<日傘の女>を36年ぶりに観ることもできる。
 1月にエジプト旅行をしているときに、旅行会社から携帯に連絡があり(まさかエジプトにいるとは思わなかったのだろう)、5月のアメリカ旅行の人数が集まり催行が決定したと告げられた。
 結局この旅行では、
シカゴ美術館、ワシントンナショナルギャラリー、ボストン美術館、メトロポリタン美術館、ホイットニー美術館、ニューヨーク近代美術館(MoMA)、ノイエギャラリー、グッゲンハイム美術館、
 といった計8つの美術館を巡ることができた。私としては大いに満足して旅を終えた。モネの<日傘の女>や、フラゴナールの<読書する少女>が貸し出されていて観ることができなかったとしても、大変満足できる旅を終えることができた。
 シカゴ美術館巡りでは、この
<世界一迷子になる観光客の数が多い迷路美術館>
 を、美術館に所属する日本人女性が極めて効率的に案内してくれた。一人で行っていたなら、確かに、どこに何があるのかさっぱり分からないままに複雑な建物の中をさ迷ってしまったことだろう。

 というわけで、申し分のない旅だったのだけれども、最後の最後で<ケチを付けられた>。

 日本航空というダメ会社の対応で不愉快になったのである。
 私が「被害」を受けたわけではない。ただ……それまで幸せそうだった熟年夫婦旅行者たちに同情したのである。

 この旅行の説明サイトには、こんな文章がある。注意書きである。


【航空機について】

■航空機のお座席については、個人チェックインでの決定となり、事前に弊社でお座席を指定することができかねます。予めご了承ください。

 この文章・注意書きは、他の殆どすべてのコースでも出されている……と思って調べてみたら、間違っていた。たとえば、ターキッシュエアラインズやカタール航空利用のツアーにはこんな文章はない。

 ただ、この注意書きは、たとえばエコノミーでも前の方に座りたい、とか、トイレが近いので通路側にして欲しいだの景色が見たいから窓側にしてくれだのといった類の「希望」には必ずしも添えない、といった意味のものだとずっと私は思っていた。
 カップルで申し込んだ旅行者には、少なくとも、隣同士に座ることができるように航空会社は配慮してくれるものだと、ずっと思っていた。
 この2年間で12回の海外団体旅行をしてきたけれども、そして一緒になった熟年夫婦や新婚カップルと話をしてきたけれども、行きにしろ帰りにしろ、航空会社が隣同士に座らせてくれなかった、などという話は聞いたことはなかった、今回、このニューヨークから成田に戻るJAL003便に乗るまでは。

 ジョンFケネディ国際空港の日航カウンターの女性職員。彼女は木で鼻を括ったように、冷淡に、「満席ですから」を繰り返しているだけだった。
 今回のツアーは22人。うち2人は友人同士の男性、そして単独参加の東海地方在住の70代の男性と私。母と娘が一組、そして8組の熟年夫婦が参加していた。
 4人の男たちは、もちろん、バラバラに座らされてもいい。私は333シートの真ん中3席のそのまた真ん中の席だったけれども、両隣は若い日本人男性だったので、何も問題は無かった。
 ところが、母娘を含む9組の「カップル」が、日航カウンターの女性職員に、こう告げられたのである、「満席ですから、お席はバラバラになります」と。
 ニューヨークから成田までの14時間、3列席の真ん中に座り、しかも夫婦母娘で遠く離れ離れに座らされる、ということになったのだった。

 随分長いあいだ、カウンターの前で、幾組もの熟年夫婦が途方に暮れていた。
 せっかく楽しい旅を続けてきて、帰国の14時間にも及ぶフライトで、夫婦離れ離れに3列シートの真ん中に座らされるとは思ってみみなかったのだろう。これでは楽しい旅も台無しである。
 日本に帰ってきてからカタログを見てみた。
 たとえば、コース番号17333、日本航空プレミアムエコノミー利用の旅の広告は、セールスポイントしてこう「謳って」いる。

飛行機(国際線区間)は並び席をお約束




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